高性能診断により症状の進行を予防
CEREBRAL INFARCTION
脳に血液を送る経路が閉塞して組織が機能を停止する状態は、運動機能の喪失や言語障害といった重い障がいを残します。身体や視野、発話など、短時間でも異変を感じた場合は、脳卒中の前触れである可能性を考慮して速やかに診察を受ける必要があります。MRIによる高精度な画像分析で病変の位置を特定するとともに背景にある原因を把握したうえで再発を防ぐ治療をご提供いたします。
原因
脳の血管内に動脈硬化や、血栓(血のかたまり)ができるためです。動脈硬化・血栓の危険因子は、高血圧・糖尿病・高脂血症・高尿酸血症・喫煙(ニコチン依存症)などの病気と、過剰な飲酒といった生活習慣です。
下記に当てはまるものはありませんか?
■病気の危険因子
・高血圧
・心臓病
・高尿酸血症
・高脂血症
・糖尿病
・喫煙(ニコチン依存症)等
■生活習慣の危険因子
・心疾患
・多量飲酒
・運動不足
・脱水
・喫煙
・肥満
・ストレス
治療法
薬物療法
高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を合併していることが多く、これらの治療がもっとも重要です。また抗血小板剤や抗凝固剤の服用が必要になります。
抗血小板剤
活性化された血小板が血管壁に付着し、さらに狭窄が進行したり、壁に付着した血小板が剥がれて血管に流れてその先の血管をつめることがありこれを防ぐために用います。
抗凝固剤
主に不整脈がもとで血液が固まることを防ぐために用います。
降圧剤
高血圧症の治療として血圧を下げるために用います。最近降圧剤に脳梗塞再発予防効果があることがわかってきました。血圧は限りなく正常に近づけることが重要です。研究の中には、正常血圧の患者様に降圧剤を投与してもなお再発を減少せしめたとの報告もあります。このように降圧剤は血圧を下げるだけではなく、動脈硬化を抑えたり脳卒中再発を予防したりと様々な効果が知られていますので、処方を受けている患者様は血圧が下がったといって自己判断で中止しないよう気をつけましょう。
スタチン系薬剤
高脂血症の治療として主にLDLコレステロールを下げるために用います。さらにスタチン系薬剤の服用患者様は脳梗塞になる人が少ないというデータがあり、これを受け再発予防にも効果があるのではないかと期待され、現在日本ではいろいろな研究が進んでいます。一部の高脂血症薬においては脳卒中再発予防に有効であったとの報告がなされています。
手術
血管吻合術(バイパス術)
つまった脳血管のさらに先の血管に、頭皮を走る血管を剥がしてつなぐ手術です。吻合した血管から血流が新たに確保できるため再発を抑えることができるというものです。
頚部内頚動脈内膜剥離術
頚部の内頚動脈に狭窄がある場合、厚くなった壁(内膜)をくりぬく手術です。症状があり50%以上細くなっている症例、症状が無くても60%以上細くなっている症例にはこの手術を行うことにより薬だけで治療した症例より再発が少ないことが証明されています。
頚部内頚動脈ステント
金属製のメッシュ状の筒を狭窄部に留置して拡げる治療です。
リハビリ
手足の麻痺や言語障害などを認めた場合、その機能回復のためリハビリを行います。現在では一日でも早く開始することが望ましいと言われています。このように脳梗塞の治療について述べてきましたが、最も大事なのは、脳梗塞にならないようにすること(一次予防)です。ちなみに脳梗塞の再発予防は二次予防です。
脳梗塞Q&A
脳梗塞が疑われるのは、どの様な症状が起こった場合ですか?
脳梗塞の慢性期にはどんな治療を行うのですか?
脳梗塞急性期にはどんな治療を行うのですか?
脳梗塞ではなぜ早期治療が大切なのですか?
脳血栓という病名を良く聞きますが、脳梗塞とは違うのですか?
脳梗塞と脳卒中の違いがよくわからないのですが脳梗塞を発症する前触れはありますか?
脳梗塞はどの様に診断されるのですか
- 脳梗塞が疑われるのは、どの様な症状が起こった場合ですか?
- 脳梗塞だけでなく、脳出血も同様ですが、一番わかりやすいのは半身の脱力やしびれです。
その他に失語症(話せなくなること)や呂律障害、めまい・ふらつき、視野障害なども可能性が高い症状です。
- 脳梗塞の慢性期にはどんな治療を行うのですか?
- 機能回復のためのリハビリテーションと再発予防のための治療を行います。
脳梗塞は高血圧症・糖尿病・高脂血症・高尿酸血症・喫煙などが原因で引き起こされますのでこれら基礎疾患の治療が中心になります。
- 脳梗塞急性期にはどんな治療を行うのですか?
- 急性期には脳保護薬や微小循環改善薬の点滴を行います。
また超急性期(発症後3時間まで)で、条件が合えば血栓溶解剤の注射を行います。
血栓回収器も使えるようになりましたので、血管内治療を行うこともあります。
- 脳梗塞ではなぜ早期治療が大切なのですか?
- 治療が早いほど脳を救える可能性が高くなります。
今では血栓を充分に溶かすことが出来る薬が使えますし、血栓を取り除く道具も開発されていますので、治療開始が早ければ早いほどこれらの手段で脳梗塞から脳を救える可能性が高くなるからです。
- 脳血栓という病名を良く聞きますが、脳梗塞とは違うのですか?
- 脳血栓は脳梗塞の原因の一つです。
脳血栓とは脳の血管の中で血が固まっていき、塊(血栓)ができ、これが血流を傷害し脳梗塞になる病態の事です。
脳梗塞にはこの他にラクナ梗塞・脳塞栓症(他の部位から血栓等が流れてきて起こるもの)等が含まれます。
- 脳梗塞と脳卒中の違いがよくわからないのですが。
- 脳卒中とは脳の血管障害による病気の総称です。
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などが含まれます。
- 脳梗塞を発症する前触れはありますか?
- 突然起こる可能性が非常に高いです。
ほとんどの場合前触れはありません。
前触れ無く突然起こるからこそ日頃の予防が非常に重要なのです。
ただし、一過性脳虚血発作などが前触れになることがありますので、短時間であっても脳梗塞を疑う症状があった場合、専門医の診察を受けましょう。
- 脳梗塞はどの様に診断されるのですか?
- MRIで検査します。
以前はCT検査にて診断を行っていましたが、CTではわからないものが非常に多いので今ではMRI検査で診断することがほとんどです。
またMRIであれば血管異常が簡単にわかることもメリットが大きいです。